これまでの少年法改正とこれから

平成１２年の大きな改正点としては、厳罰化が挙げられます。

神戸の中学生連続殺傷事件を契機として、検察官に送致できる年齢を１６歳から１４歳に引き下げるとともに、犯行時に１６歳以上の少年が故意の犯罪行為により被害者を死亡させた事件については、原則として検察官に送致決定されることとなりました。

なお、令和４年から施行予定の少年法では、１８歳，１９歳は、引き続き少年事件の保護の対象とする一方で、「特定少年」と位置づけ、家庭裁判所から検察官に逆送する対象を拡大しました。

少年院は、少年の再非行を防止するため、特別の場合以外は外出を許さず、閉鎖された施設で生活を強い、規律ある生活に親しませて生活訓練を行い、規律に違反した者に対して懲戒を行う場所です。

近時、特殊詐欺事案等で少年院送致決定がなされる事案が多いです。また、非行事実の悪質性が高い場合、少年の内省や環境調整の経過等にかかわらず、少年院送致の意見が出されることもあります。

一定期間少年院に収容したとしても、少年はやがて社会に戻る必要があります。そのため、社会内で更正を考えて環境調整をする必要がありますし、社会から隔離された場所で果たして更正が実現できるかという問題点もあります。いずれにせよ、少年だけでなく、少年のご家族、弁護士（付添人）、家庭裁判所はぎりぎりまで社会内での構成の可能性を探るべき出ると考えます。

被害者の方に対する保護の規定が拡充、創設された点が挙げられます。

主な改正点としては、以下の点が挙げられます。

被害者の方に対する保護の規定が拡充、創設された点が挙げられます。

主な改正点としては、以下の点が挙げられます。

これらの制度は、被害者の方への配慮がなされており、望ましい側面があります。一方で、これられの制度は、少年が委縮してきちんとした発言ができなくなり、事実の解明に困難をきたし、適正な処分選択を困難にするという難点があります。

また、被害感情が強い被害者の方から少年に関する情報が流出するおそれもあります。そのため、これらの制度は少年法の理念にのっとった運用がなされるよう、注意しなければなりません。