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2023/12/06
大麻の使用を規制する「使用罪」を設ける改正大麻取締法が参院本会議で可決、成立しました。そして、不正な使用には、懲役7年以下の罰則を設けました。
近年、大麻の乱用で検挙される少年の人員が、高い水準で推移していると、大阪府警が発表しています。
令和3年中における少年の検挙人員は、令和2年中(124人)よりさらに増えて150人となり、深刻な状況が続いています。
また、警視庁による統計では、令和3年の大麻事件のうち、少年が占める割合が過去最多を更新しており、少年による大麻事件の増加が目立っています。
政府は、このように若者の間で大麻の乱用が拡大するなか、他の薬物と同様に大麻の使用を規制する「使用罪」を設ける改正法案を閣議決定しました。
改正案は、医薬品の使用を可能にするほか、薬物の乱用対策として、覚醒剤などと同様に大麻の使用を規制するものです。
インターネットの普及もあいまってか、薬物がすさまじい勢いで我々の身近に迫っており、若者を中心に薬物、特に大麻に対する危機意識が低下していると考えられます。例えば、知人・友人からの誘いを受けて興味本位で始めたり、諸外国の中には大麻が合法である所もあり、大麻なら安全と誤解し、使用をはじめる少年もいます。
また、近時は、インターネットを通じて手軽に大麻を注文し、売人とつながってしまうケースもあります。
SNS上において、「野菜」「クサ」「88」など、大麻の隠語をネット検索すると、次々と薬物に関する投稿が現れ、誰でも簡単に大麻を入手できる環境が整っていると言っても過言ではありません。
現行法においては、大麻を所持・譲り渡す・譲り受ける・栽培・輸出入することは違法です。
これらの行為は全て、大麻取締法違反となり、営利目的の場合には、法定刑が加重されます。
【大麻取締法第24条】
【大麻取締法第24条の2】
※拘禁刑とは、懲役・禁錮を統合し2025年6月1日に施行される刑罰です。
大麻取締法違反は、現在においては「使用」を処罰の対象にしていません。
しかし、尿から大麻成分の陽性反応が出た場合には、大麻の所持や譲受等といった禁止行為に関わっていることがほとんどです。そのため、現行法のもとで大麻の使用が罪にならないとしても、所持等により逮捕され、処分される可能性が高いと言えます。
また、大麻取締法違反には拘禁刑が規定されていますが、少年事件においては、(単純所持罪等であれば)刑罰が科せられず、少年審判が開かれ、少年院送致等の処分が言い渡される可能性があります。
その結果、捜査機関の保有するデータベースにおいて「前歴」として記録が残ることとなります。
薬物乱用対策として、大麻も麻薬取締法の対象にして他の規制薬物と同様に使用罪が適用できるように閣議決定された後、改正大麻取締法が参院本会議で可決、成立しました。
使用罪は、主に若年層による乱用への対策として7年以下の懲役刑も規定されています。2022年には、大麻関連の検挙人数の約7割が30歳未満と若年層が中心でした。一方で、現行法では大麻の所持や栽培の禁止にとどまっており、使用を罰する規定はなく、今回の改正の運びとなりました。
改正法では大麻と、有害な大麻由来成分テトラヒドロカンナビノール(THC)を「麻薬」と位置づけた上で、使用禁止規定は削除し、大麻草から製造された医薬品は、医療で痛み止めなどとして使われる麻薬と同様に免許制度の下で使用可能になります。
少年事件においても、大麻取締法違反を犯した場合、逮捕・勾留される可能性は高いです。
逮捕のきっかけとしては、職務質問によって所持等が判明し、その場で現行犯逮捕されるケースがあります。
また、捜査機関が自宅を訪問し、捜索、差押えを行ったり、少年を逮捕状により逮捕するケースもあります。
弁護士による弁護活動を受けることにより、早期の釈放や少年鑑別所回避(取消し)の可能性を高めることができます。
そのためには、逮捕後の早い段階で、弁護士と面会の上で取調べに対するアドバイスを受け、ご家族等(身元引受人)の協力を仰ぐことが大切です。
また、何よりも再犯を起こさないという本人の強い意志を裁判所に伝えることも重要です。
薬物事件においては、入手ルートをきっちりと供述することがポイントとなります。入手ルートについてあいまいな供述をしていると、薬物への未練が断ち切れておれず、再犯の可能性があるとして、処分に影響する可能性があります。
大麻を入手する原因となった交友関係や人間関係については、きっちりと縁を切り、交友関係等を見直すことが必要不可欠です。
また、普段の生活を改めることも必要になります。例えば、これまで学校を休みがちなのであれば、卒業の単位をしっかりと獲得できるよう、登校をしっかり行うということも必要になってきます。
依存症になると独力で薬物から脱却することは難しくなります。
薬物依存から脱却するために、家族からの支援のほか、医療機関に通院することも重要となります。
監修者
弁護士上村武史
大麻取締法違反事件においては、再非行を繰り返す可能性が高く、少年院収容の可能性もあります。
薬物事件については甘く考える少年もいますが、自身の身体への影響だけでなく、ご家族にも多大な影響を与えます。
薬物事件を起こした場合、再非行防止策を含め、審判までにしっかりとした対応をとることが望まれます。
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